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初期乳がんの化学治療、遺伝子検査によって半数以上が必要ないことが判明

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The New York Timesより

http://www.nytimes.com/2016/08/25/science/gene-tests-identify-breast-cancer-patients-who-can-skip-chemotherapy-study-says.html?_r=0

 

腫瘍における遺伝子の活動を調べた最近の研究によると、初期段階の乳がんにかかっている人のおよそ半分の人は、化学療法をしなくてもよいとのことです。

しかも、化学療法を避けたとしても、その後5年以内にがんが転移したり、再発したりする可能性はほとんどないとこの研究は発表しています。

 

genomicテストと呼ばれる検査は、がんの成長をコントロールしている遺伝子の活動を測定します。これによって再発のリスクが低い乳がん患者を見つけ、化学療法を避けるという選択肢が可能になるのです。

 

研究の詳細(英語注意)

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1602253

 

この研究チームは、これによって一年でアメリカ国内では35000~40000人、ヨーロッパでは60000~70000人の人が化学療法を避けられると予測しています。

これらの人は、前までの判断基準では化学治療を受けることになる患者です。

 

実は、genomicテストはここ10年間もの間使われてきた検査です。しかし、化学療法が乳がんに対して効果がある"可能性を秘めている"ということから、簡単には受け入れられてきませんでした。

しかし、今回の研究は今までのものと比べるとより大規模で厳密にされたものなので、患者に対して安心感を与えることが期待されているのです。

もちろん、この研究を疑問視する声もあります。確かに化学療法を避けることはできるのですが、再発の可能性は、化学療法を受けた人よりもわずかに高いのです。

しかし、化学治療自体にリスクが伴う以上、避けられるに越したことはありません。

化学治療は、神経にダメージを与え、また、心不全や白血病にかかるリスクも増えてしまうことが知られています。このリスクは、年齢が上がれば上がるほど高くなります。

 

ここでいう"初期段階"とは、ステージ1と2を指します。これは主要がサイズが5センチメートル以下で、リンパ節への転移が3つ以下の状態。

アメリカでは、半分以上の乳がん患者がこの初期状態と診断されています。

 

このgenomic検査において最も困難なのは、臨床による診断では危険だと判断されたものの、遺伝子レベルではリスクが少ないと判断された場合です。

このような患者が安心して化学療法を避けることができるような検査を作ることがこの研究の最終的なゴールです。

今回の研究でも、このような患者に対して、化学療法を受けた人と受けなかった人を追跡調査していますが、受けた人が5年後にガンが進行しなかった可能性は94.4%、受けなかった人は95.9%だったとのこと。

あまり大きな開きは見られなかったものの、まだ5年後調査をしただけなので、これからも研究チームは引き続き追跡調査を行っていくということです。

 

化学療法を受けるかどうかというのは、乳がん患者にとって大きな決断。治療自体にリスクが伴う以上、今後このような研究が更に進み、受けなくても問題がない人が化学治療を受けることで健康被害を受けるケースが減ることを期待します。

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